流浪の月が気持ち悪い!下半身の病気とそのあらすじとは?

みなさんは、本屋大賞受賞作でベストセラーとなった『流浪の月』をご存知でしょうか?

2022年5月には、李相日監督による待望の映画化もされ、広瀬すずと松坂桃李が主演をつとめ、横浜流星や多部未華子など豪華キャストが出演し大変話題となりましたね。

この映画、ひとつの誘拐事件をテーマとして、その加害者と被害者となる二人の再開と二人のその後の関係を描いている作品です。

過去に起こった出来事が現在にどのような影響を与えていくのかなど、いろいろと考えさせられる内容となっているのですが、どうやらこの作品が「気持ち悪い」と言われているのです。

今回は、その「気持ち悪い」と言われる理由は何なのか、あらすじを含めてご紹介していきます!

流浪の月が気持ち悪い!その理由とは?

『流浪の月』を鑑賞した方の感想としては、次のようなものがありました。

重い。

とても苦しい。

辛い・・・

このような声がSNS上でも多くあがっていますが、中には、しっとりとした美しさや儚さが印象的だったと、深く感動したと感じられた方もいらっしゃるようです。

では、「気持ち悪い」と言われる理由はいったいどういった内容からくるものなのでしょうか?

まずはあらすじから見ていきましょう!

流浪の月のあらすじ

~出会い~

物語は、佐伯文(松坂桃李)と家内更紗(広瀬すず)の出会いからはじまります。

大学生の文が、雨が降る公園でびしょ濡れになりながら本を読んでいる少女更紗に傘を差しだしました。

「帰らないの?」と文が声かけるも、更紗が「帰りたくない。」と返事をしたため、文が「うちに来る?」と誘うのでした。

更紗は父親を亡くしており、母親も男をつくって家を出ていってしまっている孤独な少女でありますが、その問いかけにしばらく間はあるものの、コクリとうなずいて文についていってしまいます。

~誘拐事件~

そこから二人の生活がはじまり、2か月経ったときのことです。

更紗が行方不明であることがニュースで流れ、文は「誘拐犯」として逮捕されてしまうのです。

更紗は自分を助け出してくれた文と別れるのが嫌で、文が警察に連れていかれそうになっても抵抗しましたが、「被害女児」として保護されるのでした。

~再会~

事件から15年後、更紗は恋人もでき幸せそうに暮らしていました。

そんなとき、同僚と訪れたカフェで偶然にも文と再会してしまうのです。

更紗は再会をきっかけにカフェに通うようになるのですが、恋人である亮(横浜流星)が文の存在に気づき、嫉妬心から暴力を振るうようになります。

そんな亮から逃げるために、更紗は家を出ていき、文の元へ向かうのでした。

過去の事件から立ち直れていなり文は困惑しながらも、現在の更紗とも向き合おうとします。

文が抱えている秘密についても更紗には告白し、二人はお互いのことを分かり合おうとするのでした。

その後、文と更紗は誰も自分たちのことを知らない町で二人で暮らしていくことにしたのです。

気持ち悪いと言われる理由は文の「下半身の病気」!?

確かに、重い、辛いといった内容であることはおわかりいただけたかと思いますが、実は、気持ち悪いと言われる理由が、文が告白した自身の秘密にあったのでした。

文の秘密は、下半身の病気、つまり、男性器が幼少期の頃から成長しない「マイクロペニス」であることだったのです。

映画では、文が下半身を出すシーンもあり、葛藤や心の傷を描写するものとなっています。

この内容が、一部の観客にとっては過激な表現として受け止められることになり、気持ち悪さを感じてしまう要素となってしまいました。

まだまだある?気持ち悪いと言われている理由

では、この映画の気持ち悪さは下半身の病気だけが理由なのでしょうか?

ここからは、「気持ち悪い」と言われてしまうそのほかのマイナス面についても見ていくこととしましょう。

主人公の設定が普通ではない!?

その一つとして、主人公の設定が普通ではないことがあげられます。

主人公の文は、過去に犯罪を犯した過去の持ち主であり、更紗の誘拐犯でもあります。

そのような文という人物の設定が観客にとっては不快感となり、文が暗すぎて気持ち悪いといった反応を得てしまったのでしょう。

映画自体のテーマが暗い!?

この作品は、女児誘拐事件からはじまり、その犯人と被害者の関係を描いた、テーマとしては大変暗いものです。

また、暴力的なシーンや孤独な心理描写、過激な下半身の描写といった、深く考えさせられる場面も多々あります。

そのようなシーンの連続で、一部の方にとっては不快感を覚えるものとなってしまい、「気持ち悪い」といった表現になってしまったと考えられます。

テーマ自体は重いものになりますが、それだけ重要な問いが投げかけられているといってもいいでしょう。

原作から紐解く!映画「流浪の月」の解釈について

次に、映画『流浪の月』で観客をモヤモヤさせた点について、原作をもとに紐解いていきましょう。

映画では読み取れない情景は原作に戻ってこそ見えてくる部分がありますよね。

原作は読んでいないから映画だけじゃわかりにくかった!という方もあらためて見返したくなると思います!

文はロリコンなのか?

一つ目は、女児誘拐という罪を犯してしまう文がロリコンなのか?という点です。

こちらについては、原作では文がロリコンだという記述はなく、更紗に触れてはみたものの、結局性的欲求は湧かなかったとされています。

下半身の病気というコンプレックスを抱えるため、大人の女性と深く関わることに気が引けていたという文が、子供が相手であれば何も気にせずに関わることができると思ってしまったのですね。

矛盾する更紗の行動?

二つ目は、更紗は性的被害を受けていて男に嫌悪感を持っているはずなのに、どうして大人の男についていったの?ということです。

更紗はおばの家に引き取られていましたが、そこで一緒に暮らす息子に悪戯をされていました。

そんな家に帰りたくないという気持ちの方が勝ってしまい、文についていくことを自分の意思で決めたのです。

その意思を警察に伝えることができていたら、文を誘拐犯にせずにすんだのではないかという思いが、大人になっても更紗を苦しめていたのかもしれません。

孤独な者同士が惹かれてしまったことが、二人の運命のはじまりとなってりまったのです。

『流浪の月』が気持ち悪い理由のまとめ

いかがでしたでしょうか?

文が抱える下半身の病気や暗いテーマが一部の観客には「気持ち悪い」と評価されてしまった可能性がありますが、映画も原作も大変深く考えさせられる、メッセージ性の高い作品です。

少々ヘビーな内容ではありますが、ぜひあなたも見てみてください!

映画はETFLIXやU-NEXTから視聴いただけます。

https://www.netflix.com/jp/title/81702125

https://video.unext.jp/title/SID0071421